AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で、男性型脱毛症のことです。30~50代で症状が現れることが多いのですが、思春期以後の比較的早い時期から発症することもあります。40代男性での発症率が約30%ということからも、AGAは決して特別なものではありません。
AGAのメカニズム
AGAは、DHT (5α-ジヒドロテストステロン)という活性型男性ホルモンが原因で発症すると考えられています。DHTは、毛髪や皮脂腺にある酵素の1つである5α-リダクターゼと、男性ホルモンのテストステロンが結びつくことで発生。毛乳頭を萎縮させ、毛母細胞の機能を弱めてしまうため、発毛・育毛に影響が出ます。
テストステロンの量に個人差はありませんが、5α-リダクターゼの量は人によって異なります。5α-リダクターゼの量が多いと、発生するDHTも増えるため、AGAが発症・重症化してしまいます。
5α-リダクターゼとテストステロンが結びついて、AGAの原因物質であるDHTが発生。DHTの量が多いとAGAの発症率が高くなる。
毛周期の変化が髪の成長に影響
DHTによって毛母細胞の働きが弱まると毛周期の成長期が短くなり、すぐに休止期へと移行してしまいます。すると、細く短い状態で成長が止まってしまい、頭皮に達する前に抜け落ちてしまうのです。また、休止期の髪の割合が増えるため、全体の量が少なく感じるようになります。
このようにAGAは、「毛母細胞の働きが弱っている」だけで、発毛機能が失われたわけではありませんから、症状に合わせて適切な治療を行えば、再び毛髪を太く長く成長させることが可能です。
AGAの場合、髪がしっかり成長する前に成長期から休止期へ移行してしまい、ミニュチュア化した髪のまま脱毛してしまいます。
健やかな髪(通常毛)は直径70〜80ミクロンなのに対し、30ミクロン以下の髪を軟毛といいます。ミニュチュア化した髪はメラニン色素も少なく、髪色が淡いために毛髪がより少なく感じます。