性感染症
性感染症とは、性行為によって感染する病気の総称です。
症状や感染経路はさまざまで、治療方法も患者様事に異なります。
主にHIV、クラミジア、ヘルペス、淋菌、B型肝炎、C型肝炎などがありますが最近では、梅毒も流行しています。
性病の中には、不妊症の原因になったり、全身に広がるものもあります。ほかの感染症は採血などでわかります。気になる方は、早めに受診をおすすめします。
この病気はおりものを調べる必要があるので、婦人科の受診が必要です。
—検査対象—
HIV
HIVとはヒトパピローマウィルスといいます。HIVに感染すると、リンパ球が壊されてしまい、病気の原因になるウイルスやガンなどの深刻な病気になりやすくなってしまいます。
自覚症状がないことが多く、感染しているかどうかは自分では分かりません。HIVに感染した後は、感染初期(急性期)→ 無症候期 → エイズ発症期の経過をたどります。
HIV感染症の治療開始の遅れは、生活の質の低下や生命予後の悪化につながります。エイズ発症前の無症候期の間にHIV感染を知ることができれば最適な時期に治療を始めることができますので、早期発見が重要です。
治療法
抗HIV薬の内服
クラミジア
日本で最も多い性行為感染症(STD)で、クラミジア・トラコマチスという細菌によって起こります。若年者を中心に多い病気です。
おりものが増えたり、下腹痛が出るなどの症状や、無症状で感染していることに気付かないケースも多くあります。長時間放置すると不不妊症や流産、子宮外妊娠などの原因にもなります。
治療法
抗生物質
淋菌
淋病は、「Neisseria gonorrhoeae(淋菌)」を病原菌とする感染症です。感染者が使用したタオル類や浴室の床・浴槽の縁などからも感染する可能性がまれにあります。
感染症2日〜7日間の潜伏期間後に症状が出てきます。
黄色いおりものや、排尿時に痛み、尿道の出口が赤みなどの症状がありますが、女性の場合は症状が軽い為、感染した事に気が付かないケースもあります。長期間放置すると子宮内膜炎・卵管炎の発病を招き、激しい下腹部痛や発熱を引き起こすことがあります。
治療法
抗菌剤の点滴
ヘルペス
ヘルペスはウイルスの感染で起こります。初発は、潰瘍は左右対称にできるのが特徴で、局所にはっきりした病変が無い時でも性器からウィルスを排出してしまい、パートナーに感染する可能性があります。
外性器に小さな水泡ができ、破れると潰瘍になり、2週間ほど続いた後に消失していきます。症状がなくなった後でもウイルスは体内に残っているので、再発する可能性があります。
治療法
軟膏・内服薬
梅毒
梅毒トレポネーマという細菌によって感染します。
初期の症状として感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができたり、足の付け根の部分のリンパ節が腫れたりすることもあります。痛みがないことも多く、自分では気付かず多くの人に感染させてしまう可能性があります。また、感染したまま妊娠すると胎児に感染し、先天梅毒児となります。
放っておくと脳や心臓に重大な合併症を起こす可能性があります。
治療法
抗生物質・抗菌剤
B型肝炎
感染している人の血液や体液を介してB型肝炎ウイルスに感染することにより起こる肝臓の病気です。感染原因の70%は性的な行為によって感染することも明らかになっています。
全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐などの症状が出現し、黄疸などの出てきます。感染力が強いので、唾液程度から感染する可能性があります。血液感染では、輸血、注射針などの共有、ピアスの穴開け、入れ墨、カミソリや歯ブラシの共有などにより感染する可能性があります。
肝炎が進展すると肝臓が線維化し、肝硬変となり、肝癌へと発症するリスクが上昇します。
治療法
急性肝炎では、安静を保つことが重要です。必要があれば点滴で水分や栄養を補います。
C型肝炎
感染している人の血液や体液を介してC型肝炎ウイルスに感染することにより起こる肝臓の病気です。感染原因は血液による感染ですが、B型肝炎に比べると、性行為による感染や母子感染の確率は低いものの、夫婦間感染や家族内感染も認められる病気です。
症状としては、発熱、倦怠感、食欲不振、嘔吐、黄疸などがあります。
B型同様に肝炎が進行すると、肝硬変や肝臓がん発症のリスクが上昇します。
治療法
急性肝炎では、安静を保つことが重要です。必要があれば点滴で水分や栄養を補います。